第二次世界大戦末期の1945年4月から5月上旬にかけて、ドイツがソ連と連合軍に降伏する直前の1ヶ月の間に実際に起こった話を映画化した作品「小さな独裁者」。
1945年4月。実在したドイツ人兵士であり主人公であるヴィリー・ヘロルトは、部隊から脱走して無人地帯をさまよっている時に、道端に捨てられた軍用車両の中にある軍服を見つけた軍服に身を包んで大尉になりすまし、ヒトラー総統の命令と称する架空の任務をでっちあげて、道中で出会った兵士たちを次々と服従させ、瞬く間にアドルフ・ヒトラーを連想させる支配者へとのし上がり、強力な権力の快楽を手にした兵士たちは、その振る舞いをエスカレートさせ、大量殺人へと暴走しはじめました。
わずか1ヶ月の間に、まだ19歳であったいち脱走兵士が、寄せ集め脱走兵たちを束ねてリーダーへと変貌していくその過程は、”権力”という目に見えないパワーに揺さぶられる人間の弱さを色濃く映し出しています。
「目に見えないパワー・権力」にみる人間の脆さは、第二次世界大戦中に起こったこの映画の中で起こったことではなく、国家の独裁者、世界・企業で力を持つ者、私たちの生活に近い場所でいうと、パワーハラスメントなど、私たちの生活の中でも常に隣り合わせにありもの。
自分だったら、どうする?
なぜ、そうなったのか?
そんな視点から観てもらいたい作品です。
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『ちいさな独裁者』
http://dokusaisha-movie.jp/
© 2017 - Filmgalerie 451, Alfama Films, Opus Film
配給:シンカ/アルバトロス・フィルム/STAR CHANNEL MOVIES
2月8日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国公開
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