2014年8月13日。ISはイラク北部のシンジャル山岳地帯地域一帯を一斉に襲撃し、そこで暮らしていた男性は皆殺害され、7000人もの女性と子供たちを拉致し、女性は性的奴隷として、子供は「小さき獅子たちの学校」と呼ばれるIS戦闘員の養成学校に入れられたそうです。この出来事から着想を得た、自らの尊厳のためにISと戦う女性たちの姿が描かれたのがこの映画「バハールの涙」。
この女性たちは、2018年にノーベル平和賞を受賞したナディア・ムラドによって知られることになった”太陽の女たち”と呼ばれる女性武装部隊。イスラム戦闘員の間では「女性に殺されたら天国へ行けない」と信じられ恐れられていました。
捕虜となった自分の息子を助けるために戦う、女性武装部隊のリーダーである主人公バハール、そして、自らも戦争地の現実を伝える女性ジャーナリストのマチルド。この二人の女性の中の現実と使命、そして想いが強く伝わってきます。
ISと戦うバハールたちの生き様は、今もイラクやシリアで続いている現実であり、自らも傷を負い、同じ記者である夫も戦地で亡くしているジャーナリストのマチルドが、なぜ、戦地での真実を伝え続けていくのかを語ったくだりが心に深く突き刺さりました。
主人公であるバハールを演じるのは「世界でもっとも美しい顔100人」にて、2014年から4年連続でトップ10入りしているゴルシフテ・ファラハニ。記者を演じるのはカンヌ時国際映画祭女優賞受賞歴のあるエマニュアル・ベルコ。
現在でもこの地区で誘拐・拉致された2000人の女性の安否は依然として不明だと言います。
私たちが暮らす同じこの地球上で「いま」時を同じくして起こっていることであること。。この映画を通じて、女性の「強さ」と「真実」をを深く受け止めることができると思います。
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『バハールの涙』
http://bahar-movie.com/
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コムストック・グループ + ツイン
1月19日より、新宿ピカデリー&シネスイッチ銀座ほか全国公開
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