今この目で見ているものは、本当に存在しているんだろうか?
鏡に映っている姿は本当に自分の姿?
私たちが今生きているこの世界は、本当にあるんだろうか?
もしかして、私たちが想像の中で作り上げたものでしかないんじゃないだろうか。
実は、以前にそんな話を耳にしたことがありますが、この作品は、本当にそのことを感じさせてくれる話。
「目が見えない」少女と「姿が見えない」少年が、視覚以外のセンスでお互いに心打ち解けていく、という本当にピュアなストーリーです。目の見えない少女マドレーヌは、手術を経て視力が回復しますが、そのあとに果たして彼女はまだ姿がない少年エンジェルを認識することができるのか、その存在を感じることができるのか・・・
少年少女のストーリーでありながらも、なんだか自分自身を試されているかのような気持ちになりながらスクリーンを見つめていた79分間。
少年少女の話でありながらも、その家族や背景に関してはほとんど描かれていないので、この可愛らしい2人の気持ちや想いにグッと引き込まれ、「見えること」「見えないこと」についてのみにフォーカスした世界観に自分自身も入りこんだような気持ちにすらなってしまいます。同時に、“見る”という感覚の強さについて、考える機会にもなりました。
映画って本当にいろんな世界を見せてくれる…そんなこの映画も、「見る」という感覚によるもの。もしかしたら、これも自分が作り上げた想像の世界の中の出来事なのかも?
このレビューを書きながら、そんなことすら頭の中を駆け巡った映画「エンジェル、見えない恋人」は、この週末10月13日土曜日から公開。
とにかく緑たっぷりの自然溢れる映像も本当に素敵です。
2018年10月13日公開 エンジェル 見えない恋人
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配給:アルバトロス・フィルム
10月13日(土)、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次ロードショー