6月28日(金)公開: COLD WAR あの歌、2つの心

白と黒の世界で描かれているにも関わらず、私の心に映るこの映画の世界は、きちんと色があって最初から最後までスクリーンに釘付けになった88分。

戦後、西と東の世界の間で混乱したポーランドが舞台。西の音の世界ジャズを愛したピアニスト・ヴィクトル と、ひときわ目を引く歌唱力とダンスの才能を持つ歌手ズーラ。

出会ったその時から惹かれ合う2人は、当時まだ壁が存在せず東と西を自由に行き来することができていたベルリンにて西側へ逃亡しようと計画するもののズーラは現れず、ヴィクトルは一人で国境を超え、ふたりの激動の人生がはじまります。

ふたりは、冷戦によって分断された世界の中で、別のパートナーとくっついたり離れたりしながらも、年月や場所、環境を超えて、束の間の再会を繰り返しながらお互いを思い続けます。

違法的にポーランドを後にしたヴィクトリアと合法的にポーランドを後にしたズーラは、長い年月を経てようやく一緒に暮らすようになります。しかし、またふたりは彼らを取り巻く”東と西”に翻弄させられることに。

この時代の背景にあるのは、戦後の東と西の時代背景。まさに、この映画のタイトル”COLD WAR=冷戦”が、この二人の人生を操っていたとも言えるかもしれません。


音楽・芸術の素晴らしさと、その自由すらも抑制し政権への利用へとつながっていく戦後の混乱。そして、社会主義と資本主義、戦後の冷戦、ポーランドをはじめとした東欧諸国の歴史といまに意識を向けるきっかけとなりました。

COLD WAR あの歌、2つの心』
https://coldwar-movie.jp/
配給:キノフィルムズ
6/28
(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開

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